三国志の人名の問題です。
呂布の「布」という名前はただの布ではなく、旗(軍旗)の意味なのでしょうか?
字の「奉先」の印象から軍旗を連想するのですが、いかがでしょうか。
難しいですねえ。
「布」は「布施」というように「与える」の意味。
「奉」は「俸禄」に通じるとして、
「布」「俸禄」「先」で「給料を先払いしてくれ。」
っていうのは冗談です。
『康煕字典』をもとに字義を見てみます。
「布」
1、布の意味
『說文』布枲,織也。『廣韻』布,帛也。『小爾雅』麻紵葛曰布。『釋名』布,布也。
2、貨幣の意味
『傳』布,幣也。
3、「施す」の意味。
『廣雅』布,施也。
4、陳列の意味。
『玉篇』 列也
5、拡散、分布の意味。
『廣雅』布,散也。『註』布路,分散。
「奉」
1、両手で物をいただくこと。
『說文』承也。(承,『説文』奉也。受也。)
2、献上の意味。
又與也,獻也。
3、養う、俸禄の意味。
『集韻』音俸。養也,秩祿也。
「先」
1、先、前、早いの意味。
『說文』先,前進也。『玉篇』前也,早也。
2、先祖の意味。
又祖父已歾曰先。
「奉先」の2文字で先祖に奉納する、献上する、ということで、祖先の祭祀の意味を持ちます。
「布」にも「奉」と同じく「与える(施す)」という意味があります。
呂布の「布」を軍旗等の布とすると、字「奉先」との関係が無くなってしまいます。
「布」は動詞の「施す」の意味ではないでしょうか。
「布」と「奉」が通じ、先祖・先人を敬う、というような意味かなあ、と。
呂布らしくはないですが・・・。
私の調べた限りでは「布」に旗印の意味はなく、名詞なら「布」や「貨幣」、動詞なら「広める」などの意味があるようです。
字の「奉先」については、「奉」は順守する、従うという意味であり、「先」は先人という意味で多く使われていたようです。なので、「奉先」は「先人の教えを順守する」という意味だと思われます。
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