三国志の序盤で消えて行った袁術ですが、 この袁術がもっと能力のある人物であれば...

三国志の序盤で消えて行った袁術ですが、

この袁術がもっと能力のある人物であれば

歴史は大きく変わったとおもいます。

皆さんはどう思いますか？

もちろん、そのとおりです。



つい我々は「三国演義」的な世界観を持ってしまいますけれど、史実の後漢末の政治状況は小説とは違います。

まだまだ血筋が重視されていたし、過去の実績がものを言っていました。曹操や劉備など、血筋のよさがなかったり、能力があったりしても、世間からさほど評価されていたわけではなかったのです。



曹操が袁紹に勝利するまで、状況は大きく言って、北方を袁紹と公孫瓉が争い、河南以南を袁術と劉表が角付き合わせ、劉焉が独立状態で蜀にいるというものでした。実力からすれば、「袁紹・袁術・劉表の鼎立状態」だったのです。



袁術があっさり敗れたため、曹操は北方に集中できました。さもなければ、大勢力二つに挟まれた曹操は身動きが出来なかったはずです。大勢力と、勢いはあるけど中小の勢力のパワーバランスって、そんなものです。



袁術が北方に進むか、南方に進むかをはっきりさせ、その方向に集中していたら……。呂布と争っている曹操は、呂布と共倒れしたかもしれません。

袁紹は公孫瓉との争いに掛かりっきりで、劉表は積極的拡大に関心がない。

残念ながら、苦労知らずのボンボンである袁術は状況を冷静に見抜く能力も、家臣の建言を聞く度量にも欠けていました。それがゆえに、最大の好機を失ったのです。

さて、能力とはどのような能力のことでしょうか？

まずダメだったのは力が十分でない時期に「大義名分」がないことをしてしまった（自ら皇帝と称した）ことですね。

この頃はまだ大義名分は必要だったのです。それがわかっていればという意味での「能力」であればそうですが、そんなことを言ってはその頃の全部の武将がそうなってしまいますね。